戸籍に男性として記載され
家族にも 男の子として扱われていても
少女のねがいは つつましやかな幸福
あたりまえの女性として 
子供を産み 育てたいという
それだけのことでした
それはとてもささやかな、しかし、けして
かなうことのない夢でした


やがて少女は 自分の身体に起こっている
異変に気付きはじめました 

ふた月だけ続いた月経は 再び止み
胃の腑に込み上げる違和感が
食事を受け付けません

まさか、でも、そんなはずない

わたしは いのちを紡げないのでしょう?


少女は学校を休むようになりました

少しづつ形を成して行く不安と わずかな希望
それは 今や確かに 少女の下腹部に
息づいていました

いかに日頃 少女の存在を疎み
無関心な両親といえど
誤摩化しおおせるものではありません

どうしよう
どうしよう
どうしよう



三週間ぶりに 学校へ向かった日
少女は そのまま家へ帰りませんでした
+マエ+ + モドル + ツギ+


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